合板に代表される化学素材は安価で加工しやすく、劣化しにくいのがメリットです。防音や防湿など本来はない機能を追加することもできます。一方で自然素材も根強い人気があります。その種類と特徴、使い方について紹介しましょう。

自然素材を使用したリフォーム・リノベーションのメリット

自然素材は肌触りに違和感がなく、無機質な化学素材と比べて温かみを感じます。素朴な風合いは決して均一ではないけれど、逆にそれがナチュラルで見た目にも癒されます。長年使っているうちに味わいが増して愛着も沸くでしょう。
さらに素材によっては湿度を調節する機能があります。空気中の余分な水分を吸着し、逆に乾燥している時は放出するので、常に適度な湿度に保たれます。その結果、ダニやカビの繁殖を抑えてくれるのです。こうした自然素材はシックハウス症候群の原因になる化学薬品は使用されていませんから、アトピーやアレルギーに悩まされる心配も軽減されます。

リノベーションで用いられる自然素材の種類

次に紹介するのはリノベーションに用いられる自然素材の種類と特徴です。種類ごとに特徴を活かした使われ方をしています。

□無垢材
一般的にフローリングや壁材に使われる木材は「集成材」と呼ばれ、薄い木板を貼り合わせて厚い板にしています。それに対して切り出した木をそのまま加工したのが「無垢材」で、木目や色合いが活かされています。
無垢材は肌触りが良く見た目も自然で木の香りもします。さらに木ならではの湿度を調節する機能もそのままです。リノベーションでは床はもちろん、壁や天井、ドアや窓枠にも用いられています。一口に無垢材といっても、木の種類によって特徴はさまざまです。スギやナラ(オーク)は木目がはっきりしており、逆にスプルースは木目が目立ちません。強度を重視するならベイマツや北欧パイン(欧州アカマツ)が適しています。ヒノキは強度に加えて香りの良さも魅力です。

□珪藻土
珪藻土とは「珪藻」という藻の仲間の殻が堆積してできた化石を砕いたものです。粒子の表面には肉眼で見えないくらいの小さな孔が無数に開いており、熱や湿気、音、臭いを吸着する性質があります。すでに張ってある壁紙の上から簡単に塗れる手軽さも人気です。最近ではあらかじめ紙と混ぜ合わせた珪藻土の壁紙も販売されています。

□漆喰
古くから日本の建築には欠かせない素材であり、接着剤の役目を果たしたり、壁に塗って防水効果を持たせたりしていました。原料は海藻のフノリと麻の繊維、塩で焼いた消石灰です。これらを混ぜると生成される水酸化カルシウムは固まる過程で二酸化炭素を吸収し、同時に空気をきれいにしてくれます。リノベーションではその特性を活かして、そのまま壁に塗るのが一般的です。

□コルク
コルク樫の樹皮をはがしたものです。ワインのコルク栓はそのまま打ち抜いて作られますが、建材として使われるのは粉砕して成型したものです。保温性が高くクッション効果があるため床材として人気があります。また、その独特の風合いから壁材やインテリアにも用いられています。コルク樫の樹皮は何度も再生してはがせるのでエコロジーでもあります

□リノリウム
床材のメーカー名にもなっていますが、立派な自然素材です。亜麻の種子から取れる亜麻仁油をベースに石灰岩や木、コルクの粉を混ぜて作られます。丈夫で耐水性に優れているので主に水回りの床に用いられます。

自然素材を使用したリノベーションのイメージ例

では実際のリノベーションで自然素材はどのように使われているのか、具体的な事例を見てみましょう。満足できるリノベーションにするには施工業者のデザイン担当者とイメージを共有することが大切です。

たとえば中古マンションは管理規約や物理的な理由による制約が多く、間取りの変更すらできない場合があります。その代わり部屋ごとに無垢材の木の種類を変えたり、珪藻土や漆喰を随所に用いて快適性を高めたりするなど、可能な範囲で自然素材ならではの魅力的なリノベーションを実現しています。もし、骨組みだけ残してフルリフォームできる「スケルトン」が可能であればテーマを決めて、それに合った自然素材を用いましょう。無垢材がメインなら木目を活かしたナチュラルテイスト、あるいは北欧スタイルが向いています。もう少し濃い色の無垢材を使ってシックに仕上げるとアジアン風の部屋になるでしょう。

 キッチンのように水を使う場所でも自然素材を活かしたリノベーションは可能です。シンクこそステンレスではあるものの、引き出しや戸棚の扉に無垢材を張ったオリジナルキッチンもあります。さらにキッチンの壁に珪藻土を使えば料理の匂いを吸着して、換気扇を回すだけよりも早く解消されるでしょう。

まとめ

自然素材でリノベーションすると温かみのある部屋に仕上がり、湿度や温度、臭いなどを調節してくれるので心地よく過ごせるようになります。もちろんメリットだけでなく、価格が高くて手入れやメンテナンスに手間がかかるなどのデメリットがあり、使う場所によって向き不向きもあります。あくまでも選択肢のひとつとして、どのように取り入れるか考えてみましょう。

WRITER
安井 俊満
マーケティング

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